こんにちは!ルーフロックスタッフの桂です!
これから不定期ですが、ルート紹介をこのサイトに投稿していきます。
その第1弾として、今回は自分が小川山のキツネ岩にあるルート達を紹介します。
この岩へのアプローチについて、最新トポ「小川山クライミングガイド」で、かつては厄介だったと述べられています。
ですが、現在は殿様岩から踏み跡を辿っていけば顕著なルーフを持つ眠り姫岩が分かりやすい目印となっており、むしろ親切な方だと感じます。
ルートはそれぞれ個性的な内容を持ち、スケールも物足りないほど短くはないが、気負うほど長くもない15m〜20m程度で丁度いい具合。
そして、岩頭にトップアウトして終えることができるのも一押しポイントです。
北面、西面で日光を避けられ、それでいて雨後の渇きも抜群なので、特に夏場におすすめです。

【北面】
「フォックストンネル 5.10b」
トポではチムニーからカンテとのことですが、上部のライン取りに少々戸惑うかも。
下部のチムニーは易しく、花崗岩との密なスキンシップを楽しめます。
また、チムニーにはボルトが打たれていますが、これを使わなくてもカムで無理なく登ることができます。
「チャッカリどん兵 5.12b」
トポでは「岩の美しさ、岩質、クライミングの内容と3拍子揃った隠れた名ルート。」と絶賛され、3つ星がつけられていますが、全く同感です。
このあたりのグレードのフェイスを求めている人は、何はなくともキツネ岩に行ってみるべし。取りつきから見上げれば、ハートを射抜かれること間違いないです!
僕は2年前に登りました。
…と書きたいところでしたが、今回紹介するにあたってトポを見返したところ、ルート図の破線がラッペルステーションを超えて岩頭まで延びている!?
勝手にボルトストップだと思っていましたが、このルートもしっかりトップアウトできるようです。
完登リストから宿題リストへスライドか…。
「御座山はオグラサン 5.12a」
いわゆる珍名ルート。佐久に「御座山(おぐらさん)」という山があるそうですが、トポによるとこのルート名の漢字部分はあえて「ござさん」と読むようです。
ややこしい。
肝心のルート内容は粒ぞろいのキツネ岩の中でも個人的に一押しです。
正確なプロテクションワークが求められる下部としっかり悪いムーブの待っている上部。
精神面と肉体面の両方から責められ、充実します。
なお、ROOF ROCKスタッフのオオクラ先輩は上部に打たれたボルトを使わずに登ったそうです。明瞭なクラックが途切れた後、際どいプロテクションが取れたのか、それともボルト3本分ランナウトしたのかは怖くて聞いてません。
5.12aを物足りなく感じる方はご検討を。

※「チャッカリ~」と「御座山~」の取りつきは平坦ですが、狭く切れ落ちているのでカムでビレイ点を構築してトライしました。
【西面】
「よたきつね 5.11d」
ビレイのみ。僕の節穴なオブザべでは「5.8?」と映ってしまうような傾斜。
それでいてこのグレードなわけだから、クライマーは花崗岩マジック全開のトリッキーなムーブで登っていました。ボルトの状態についてはトポの通り△だそうです。

「ニャンドリー 5.11b」
取りつきからは中間部から上の様子が見えず、中々焦らせてくれます。いやらしいムーブがちりばめられていますが、レストポイントもあり、オンサイトしがいがあります。
僕のオンサイトトライはビクトリーホールドを取ったと思った数秒後にロープにぶら下がっていました。自然のセッターさんは流石です…。
出だしのオフウィズも短いですがいい味出してます。

最後にキツネ岩のおすすめポイントをもうひとつ。
少し奥まった立地のためか、訪れる人が比較的少ないようです。
この3年間で通算5日間ほど訪れましたが、その中には抜群のコンディションの週末の日もあったにも関わらず、毎回貸し切りで登ることができました。
「少し奥まった立地」とは言っても、人気ルートの殿様岩「予期せぬプレゼント」の取りつき前からプラス5分程度。
これだけ諸条件がよく、ルート自体も面白いものばかりなので、もっと人気のエリアになってもいいのではと個人的に思っています。
暑いのはイヤ。混雑もイヤだし、遠いのだってイヤ。雨の翌日でも良い状態の岩を登りたい。
そんなワガママなあなたの希望をキツネ岩が叶えてくれるかもしれません。